Last Update: June 2nd 2012 ※自信が無い部分には(*)を付けておきますゆえ bookends----- マーシャル「楽にしたまえ、軍曹。そこに座りなさい。」 「コーヒーはどうかね?淹れたてだよ、ははは…ここらじゃ珍しいだろう?」 レッド「ええ、ここ3、4日、コーヒーの一杯も飲めていませんでした。」 「いい香りです…ありがとうございます。」 マーシャル「名前と階級は?」 レッド「ジョー・ハートソック軍曹です。ええと…皆は、私のことをレッドと呼びます。」  (注:赤毛だから。) 「大佐、どのくらいかかるんでしょう?」 「早く分隊のところへ戻りたいので…」 マーシャル「第2分隊だな?」 レッド「はい?」 マーシャル「君の所属は第2分隊だろう、違ったかな?」 レッド「ああ、そうです。カランタンで第2分隊に酷い損害が出たので…その時私は第3分隊でしたが。」 マーシャル「マシュー・ベイカー軍曹の指揮下で?」 レッド「ええまぁ、一応。」 マーシャル「一応、とは?」 レッド「20日足らずで同じ階級になったので。カランタンはその後のサン・ソヴール程には酷くありませんでしたし…。」  (注:マット・ベイカーが軍曹に昇格したのは、ノルマンディ降下の直前。元々の分隊長が訓練で足を折ったため。 マック曹長はベイカーの父親のジョン・ベイカー大佐に恩があり、息子のマットにも軍人としての資質があると見込んで、彼を抜擢した。クリア特典より。) マーシャル「つまり、君が軍曹になってからの初めての任務は、サン・ソヴールの奪取だった、ということかね?」 レッド「そうです。」 マーシャル「パラシュート降下はどうだったかね?」 ガーネット「早くここから出ないと!」 アレン「降下しましょう、曹長!」 (注:ノルマンディの時点でのマック・ハッセーは二等軍曹/小隊軍曹 platoon sergeant だが、ベイカーやハートソックたちとの混同を防ぐため曹長と訳します) マック「緑のランプを待て!」 アレン「もう待てない、何が緑のランプだ!」 マック「ベイカー、ドアの前に立て!」 「皆行け、行くんだ!」 (注:ここのシーンのハートソックの順番が、1・3作目とちぐはぐ。レゲットとレッドが入れ替わっている。) レッド「酷い揺れでした。」 「煙と炎とで飛行機はいっぱいで…ムーザも見えないくらいでした。」 マーシャル「ムーザ?」 レッド「一番後ろにいた奴で、胸に対空砲の銃弾を受けて…」 「気付いたときには、床に倒れる前に既に死んでいました。」 (注:前作RtH30の「熾烈な攻防」"Tom and Jerry"中のベイカーのモノローグでは、ムーザはマザと訳されている。) レッド「我々は彼を飛行機に置き去りにして…」 「…他の話をしても?」 マーシャル「そうだな。ノルマンディへと着地した後の話を聞こうか。」 Roses all the way----- レッド「降下は最悪でした。その日からずっと、尻に刺さった小枝を抜いていなければなりませんでした。」 マーシャル「初めに誰と合流を?」 レッド「近くに降下した第82空挺師団の、ドイルって奴です。」 「あいつは私を殺そうとしていたドイツやろ…(Krau...)、ドイツ兵(German)をやってくれました。」 「それで、パドックとも合流しました。第2分隊の…ええ、後々の私の分隊の。」 「その時は3人だけでした。それで、コール中佐に…。」 マーシャル「あの、コール中佐かね?」 レッド「ええ、素晴らしい兵隊でした。口汚い言葉遣いをしてましたが(直訳:主"Jesus!"の名前を好んで使うみたいで)。」 「私の妻は嫌いでしょうね。(直訳:妻はそれが嫌いなんです。)」 ドイツ兵「<まさか、こんなことが…クソッ、撃たれた!>」 ドイル「すまない、初弾を外してしまって…間に合って良かった。」 「今のところ、ここには俺たちだけみたいだ。」  小銃の入ったレッグバッグを落としたのか?早く見つけて、前進しよう。」 ドイル「弾が足りないようだな、俺のをやるよ。」(注:チュートリアル時) ドイル「伍長、他の皆を探そう。来るとき近くに農家を見つけたんだ。俺はあんたの指示に従う。」 ドイル「対空砲か…慎重に行こう。」 パドック「へへっ、てめぇらひでぇ顔してやがるぜ。」 ドイル「暗号を忘れたのか?」 パドック「いや、はっきり覚えてるさ…フラッシュにサンダーだろ? でも、第3分隊のレッドが見えたからな。そっちのが早いと思ったんだ。」 ドイル「もう少しで撃つところだったぞ!」 パドック「でも、撃たなかったろ?俺を撃ったら大変なことになるぜ。」 ドイル「先に進もう。」 パドック「おい、本当に撃つつもりだったのかよ?」 コール「フラッシュ」 パドック「サンダー!」 「な?ちゃんと言えるだろ?」 コール「お前ら、こっちに来い!」 「お前らはどこから来た?」 パドック「はい、カンザスであります!」 ドイル「馬鹿、所属を聞いてるんだ!」 パドック「ああ、第101空挺のF中隊です。俺は第2分隊で…あいつは第3分隊です。」 ドイル「私は第82空挺なのですが、部隊の誰とも合流できそうにありません。」 コール「まぁ、それは今はどうでもいい。とにかく俺について来い。敵の砲に向かってるところだ。」 キャンベル「中佐。向こうから馬が走って来ます。」 コール「黙って静かにしろ。」 パドック「馬だって?」 ドイツ兵「<止まれ!静かにしろ…何か聞こえたぞ>」 キャンベル「くそっ、中佐、姿を見られました!」 コール「よし、お前らはこの道を行け。俺は側面をとる。」 マーシャル「怖かったかね?」 レッド「その時初めて、戦争の死の恐怖を感じました。」 マーシャル「どうして?」 レッド「分かりません。たぶん馬のせいです。」 「馬には良い思い出が無いんです。」 キャシディ「そろそろ他の部隊を見つけても良い頃だろうと思っていたよ。  ここからそう遠くないところで、破壊された砲を見た…ちょうど、サント・マーティンの外側でだ。」 「あそこの農家に本部を置こう。君たちも付いて来てくれ。しなきゃならんことは山程あるぞ。」 Action at St. Martin----- マーシャル「それで、君はキャシディ中佐の指揮下に入り、本部へ向かった…」 レッド「はい、そうです。」 「ベイカー軍曹を探していましたが、それは後にしろと。」 マーシャル「なぜ?」 レッド「軍隊はそういうものですから。"そこらの暇そうな奴をどこかに送り出す"。送られる先は、大抵は酷い場所ですがね。」 ドイル「おい、伍長。居眠りか?」 「偵察に出てみたんだが、どうもちょっとまずい状況だ。」 「良い報せは、第82空挺師団の味方何人かと合流できたって事だ。」 「サン・ソヴールへと前進するために、寄せ集めの部隊を作ろうとしてるって訳さ。まだ防衛拠点も無いってのに。」 パドック「ああ、お前ら第82師団がシェルブール道中の拠点になりそうな城を見つけるはずだったんだろ?」(*) ドイル「こっちが悪い報せなんだが…こいつら、酷くやられたんだ。補給も無くて…状況は良くない。」 キャシディ「伍長。第2分隊のビクスビー軍曹は今朝、降下の際に戦死した。そこの二等兵…名前は何だったかな?」 フライアー「ええと…フライアーです。」 キャシディ「そう、このフライアーが彼と一緒に居た。」 「サント・マーティンのドイツ軍救護所に何としてでも到達し、包帯や血漿を持って来てくれ。」 「今すぐにだ、伍長。彼ら負傷兵には時間が無い。」 ドイル「ハートソック。…俺の仲間を助けてくれ。」 ドイル「海軍の砲撃だ。味方が上陸してくるだろう。ここが踏ん張りどころだぞ、レッド。それと、水兵の奴らがちゃんと的を狙える事を祈ろう。」 ドイル「砲撃にびびったドイツ兵どもが一斉にこっちにやってくるぞ!伍長、俺はあんたの指示に従う!」 キャンベル「レッド!キャシディ中佐は俺たち第1分隊の3人を手伝いに送ってきたんだが。酷い砲撃だったな。」 ペイジ「どうやらここはもう制圧されたらしいな。」 キャンベル「ああ、そのようだな。」 「中佐は出口4への道に居るマック曹長に言伝もしたそうだ。俺たちは物資を持って帰るから、お前は出口4に向かってくれ。」 マーシャル「それで、彼らと合流したことを、君はベイカー軍曹には話さなかった…何故かね?」 レッド「"酷い朝だった"とは言いましたが。」 マーシャル「何故全部を話さなかった?」 レッド「奴は…ベイカーは、酷く取り乱している表情をしていました。」 「私が何か言ったら、すぐに何かが崩れ落ちてしまいそうな。」 「その時の奴は、私の知っている彼ではありませんでした。」 レゲット「もちろん奴らが…見つけてくれれば。あれ、レッドか?」 Three Patrol Action----- レッド「その後は誰とも会わず、残っていた第2分隊と合流しました。」 「ドイル伍長など、まだ第82空挺師団の仲間を探していました。」 マーシャル「第82師団を?サン・ソヴールまでの道のりは遠いな。」 レッド「ええ。我々もカランタンどころでは無かったようです。」 マーシャル「これは、君とベイカー軍曹、アレン二等兵とガーネット二等兵とが、フーカルヴィルを制圧した後の事かね?」 「その時にはもう体力も酷く消耗していたはずだ…」 レッド「戦場で疲れていないときなどありません。」 マーシャル「だが、この時はまだ味方も多かったようだな?」 レッド「ええ。」 ベイカー「ハーフトラックが88mm砲を街に運んでる。」 「正確にどこに行こうとしてるのかは、分からん。分散して、何とか食い止めるんだ。」 「レッド。お前は斥候隊を率いろ。コリオンとデソーラは俺と来い。」 コリオン「いいね…」 ベイカー「まだだ、サム。」 アレン「ああ、まだだぜ、サム。」 ベイカー「レッド、こいつらの子守りも頼む。」 アレン「何だって?」 ガーネット「馬鹿ッ!大口叩きやがって。いつも言ってんだろ?お前は口だけだって。ドーナツでもくわえてろよ。」(原文はバス:魚だが何となくしっくり来なかったのでps2版の訳を拝借) ベイカー「訓練を思い出せ。移動するときは援護を忘れるな。釘付けにして側面攻撃。それが鍵だ。」 「誰も死ぬんじゃないぞ!」 アレン「そりゃそうだろ…」 「ヤベッ、また口が滑ったかな?」 ベイカー「マック曹長が街の反対側から来る。任務が終わったら合流だ。さぁ、皆、やるぞ。」 パドック「ビクスビー軍曹が死んだとき、一緒に居たんだよな?どうなったんだ?」 フライアー「いや、見つけたときにはもう、死んでた。」 アレン「で、何で俺がドーナツなんかくわえるんだ?」 ガーネット「知るかよ。お前の減らず口があんまり大きいもんだから…」 アレン「フォート・ブラッグ基地でデソーラと一回賭けてさ、ドーナツを一口で食った事があるぜ。本当さ。」 ガーネット「あの岩みたいに馬鹿でかい奴をか?」 アレン「ああ。ありゃ死ぬかと思ったぜ。」 「そういや、あの時の6ドル、デソーラに貸したままだな。」 ベイカー「レッド、こっちに来い!」 「激戦だ!コリオンが向こうを見にいったが、戻ってこない!」 デソーラ「まだ生きてます!コリオンの事です。」 ベイカー「そうだな。だがここいら一帯はドイツ兵だらけだ!」 「レッド!俺たちがここから援護するから、農家に迂回してコリオンを連れ戻して来てくれ!」 「分かったな?行け!」 デソーラ「制圧射撃!」 コリオン「小屋を調べてたら、撃たれそうになってさ。このクソみてえな所に隠れてたんだ。ったく、酷ェな。」 アレン「ああ。まるで今のお前、クソみたいに見えるぜ。」 コリオン「ベイカーの所に戻るよ。行って前進する手伝いをしないとな。ありがとな、レッド。」 マック「町に居たドイツ兵どもが一斉に農場に飛び出してきたようだ。先に進むぞ。」 ベイカー「88mm一基を潰したな。二つ目はきっと俺達に怖れをなして逃げ出したか。」 マック「どうしたんだ、コリオン?」 コリオン「ちょっとした旅行さ。」 ベイカー「早く行こう。」 Hell's Corners----- レッド「イースヴィルという村で夜を過ごした後、壊れたグライダーからB.A.R.(ブローニング軽機関銃)を見つけました。ハーディガンという兵士のです。」 マーシャル「どうして彼の名前を?」 レッド「持ったまま死んでいたからです。」 「驚いたことに、もう、死体を見ても何も思わないようになっていました。」 マーシュ「ここからじゃ、逃げられない!」 ガーネット「ベイカーの奴、何だかはりきり過ぎじゃないか?」 「こんな無駄骨な任務にさ。」 パドック「そういや、最近、ベイカーの奴変じゃないか?いつも一人でいる感じがするぜ」 デソーラ「いつもそうだったろ?イギリスで俺たちが野球やってても、あいつはやらなかったしな。」 マーシュ「とにかく、この窪地から、どうにか出ないと。」 フライアー「敵に見つかる前に、早く何とかしたほうが良いかもな」 デソーラ「アレンはどうした?あいつはベイカーのお気に入りだろ?」 ガーネット「サンコムデュモンの前進を手伝わされてる。」 デソーラ「マックにこき使われてるだろうな」 ガーネット「ああ、きっとボロ雑巾みたいに使われてるだろ」 「撃つなよ!敵に見つかる。」 キャンベル「お前たちを逃がすようにと言われた。ジョンソン大佐がお前らを探せと俺を送ってきた。」 「クソッ、ドイツ兵め…」 「敵は拘置所を攻撃するためにいくらか迫撃砲も使ってる。(*)  ここに補給物資の投下がある。スモークで物資の場所をマークしとけ、後で回収する。  拘置所の逆側で大佐と合流だ。頑張れよ、レッド。」 ガーネット「補給物資だ!向こう側に落ちやがったぞ!」 フライアー「酷ぇもんだ…」 ジョンソン「増援かと思えば、たったの一分隊か!クソ喰らえ!さっきはまぁ良く制圧してくれたがな。」 「ペイジ、マッコネル!弾薬を回収して来い!」 「伍長!あの河の土手に向かって、交差点を確保するんだ!」 「何してる?さっさと行け!」 ジョンソン「ドイツ軍の一小隊がこっちに向かっている。最良の手は、奴らの側面を取ることだな」 「行くんだ、伍長!」 ペイジ「お袋はなぁ、俺に生きて帰って来いって言ったんだ。」 キャンベル「ペイジ、何だ?」 ペイジ「てめぇら畜生どもにぶっ殺されんなよ、ってな。」 キャンベル「ペイジ、」 ペイジ「言ってること分かんだろ?てめぇらは最低のクズ野郎なんだよ!」 キャンベル「ペイジ、何してる?やめろ!」 ジョンソン「部下と話をしてきたまえ、伍長。」 Chateau Colombieres----- マーシャル「夜間任務があったのかね?」 レッド「ええ。第101師団は大きな攻撃をしようとしてたんです」(*) 「マック曹長は俺に3人を連れてシャトーの納屋を調べてこいと。」 「救護所が必要だったのです。デソーラと、アレンとガーネットを連れていました。」 マーシャル「他の軍曹や将校は居なかったのかね?」 レッド「いいえ、我々だけでした。初日だけで3つの小隊の軍曹が、半分はやられましたから。」 「…だから私も昇進出来たんだと思います。」 ガーネット「良い小屋だったのに、燃やしちまうなんて勿体ないぜ」 デソーラ「偵察なんだよな?」 ガーネット「さあな。偵察だろうと斥候だろうと、俺は予備の弾薬を持っていくがね。」 アレン「俺たち、いつまでこんな事してんだろうな…」 ガーネット「は?」 アレン「ちょっと考えてただけさ。」 デソーラ「お前の考えは知らんが、とにかく俺はこのシャトーをぶっ潰してやるさ。行こうぜ。」 マーシャル「どうしたのかね、軍曹?」 レッド「アレンとガーネットは、次の朝に死にました。」 マーシャル「…」 レッド「デソーラは、その翌日です。」 「(すすり泣き)」 マーシャル「大丈夫かね?」 「ハートソック軍曹。少し休むかね?」 レッド「…いいえ、大佐。大丈夫です。話を続けましょう。」 戦車長「お前らも送られてきたのか?暗くて視界が悪い。俺たちの目になってくれ、伍長。」 ベイカー「お前ら、戻ってこい!」 bookends----- マーシャル「そして、ヒル30へ向かった…」 「その時の防衛では、ベイカー軍曹が活躍したそうだな。」 「酷い戦いだったに違いない。」 レッド「ベイカーは何もしてません。」 マーシャル「何だって、軍曹?」 レッド「すみません、大佐。」 「つまり、ベイカーはヒル30で第2機甲師団を連れて俺たちを救ったと周りでは言われてますが、  実はそうじゃないんです。」  レゲット「援護を寄こせ!今すぐにだ!」 レッド「レゲットです。彼が我々を救った。」 マーシャル「どういうことかね?」  レゲット「やってみやがれってんだ!」 レッド「奴はどうにか、本部に無線を送った。それで、戦車が来た。」 マーシャル「賛成できないな。レゲット上等兵の無線は壊れていたはずだ。」 レッド「受信は出来ませんでしたが、送信は出来てたんです。」 (注:前作Road to Hill 30では、ベイカーが戦車部隊と合流した際戦車長に「無線を受信できていたが、正確な座標が分からなかった」と言われる。  つまり、レッドの言っていることは半分は正しい。その後、ベイカーが道案内をして戦車部隊は到着した。) マーシャル「それで、ベイカー軍曹は何をしていた?」 レッド「あいつは倒れてばっかりです。ノルマンディの戦場では、気がつけば、迫撃砲やら爆撃なんかで、いつも気絶しているんです。」 「ええ、確かにあいつは軍曹になりました。手柄も立てました。でも、私だって何か、役に立ったはずです。」(*) マーシャル「ベイカー軍曹は、この戦いで顔に酷く傷を負っていたが、君の傷もそうかね?」  男「よくも俺の女に手ェ出しやがって!」 (注:前作RtH30の"ロンメルのアスパラガス"のベイカーのモノローグにて、レッドのした"酒場での酷い喧嘩"は、これの事と思う。) レッド「ヒル30の話をしても?」 Bloody Gulch----- マーシャル「ヒル30はどうだった?」(*) レゲット「何てこった。ベイカーが倒れたままです!」 マック「ハートソック!ここは敵が多すぎる。お前は左翼に回って敵の増援部隊を分断するんだ。出来なきゃ、皆殺しだ。」 「ぐずぐずするな!このままじゃ一日も持たん」(*) レゲット「曹長、ベイカーが…!」 マック「行くんだ!パドック、ハートソックに付いていけ!」 (注:前作RtH30と再び食い違う。前作ではベイカーが目覚めた時点でレッドたちはマックと共に居た。) ベイカー「(煙草に)火、付けてくれるか?」 Eviction Notice----- マーシャル「これは、カランタンを制圧したのち、君が軍曹に昇格してからの話だね?」 レッド「ええ。教会の前で小さな祝賀会(セレモニー)を開きました。」 「そしたら、急に街の南から、敵が迫撃砲を撃ってきたんです。」 (注:前作RtH30"Tom and Jerry"熾烈な攻防の最後に、戦車から逃げるドイツ兵が居る。それが生き残り。) マーシャル「まだ抵抗があったのかね?誰が君の指揮下に?」 レッド「第2分隊のパドック、フライアー、マーシュです。」 「それと、マック曹長が降下の後、第1分隊の何人かを第2分隊に異動させてくれました。」 「キャンベル、ペイジ、そしてマッコネルです。」 ベイカー「あいつら、南の停車場から迫撃砲を撃ってきてやがる!」 「レッド、お前は家の裏の路地を通って前進するんだ!俺たちは反対側から回り込む。」 ベイカー「どうやら広い所に逃げられたらしい。」(*) コリオン「(ドイツ兵に)逃げられないぜ!」 ベイカー「数分後に集合だ。追い詰めて、始末するぞ。」 Close Quaters----- レッド「軍曹になったばかりの私はまだ、まるでベイカーの部下のようでした。」 「その時は、それで良かったんでしょう。」 マーシャル「抵抗はどのくらいだったかね?」 レッド「大体は、停車場から逃げたドイツ兵どもでした。路地裏や横道に逃げた奴らを探すのは、大変でした。」 「…ここにかつて人が住んでいたとは、とても信じられませんでした。」 ベイカー「マクレアリー、曹長と一緒に居ろ!」 「よし、二手に分かれて攻撃だ。そして、広場の裏側で集合だ。」 「言うことはもう無いな…とにかく、やるだけだ。」 マック「ドイツ兵の野郎、まさか俺を撃ちやがるとは…くそ、痛ぇ。」 ベイカー「レッド!ここいら一帯はドイツ兵だらけだ。戦車も居やがる。耐えきれなくなって、後退してきた。」 コリオン「おい、ベイカー…」 ベイカー「まず、このブドウ畑を制圧するぞ。クソ、こんなに敵が居るとはな…」 コリオン「ベイカー!」 ベイカー「何だ、サム?」 「クソっ!あの小屋に逃げろ!」 コリオン「すげぇ近くで砲弾が爆発しやがった。何にも聞こえねェ。」 「畜生、ベイカー、お前のせいだぞ。」 「耳がキンキン鳴ってて、頭がおかしくなりそうだ!」 ベイカー「テーブルに跳び乗ったら、こんなもの(ワイン)を見つけたんだ。」 「お前の昇進祝いと行こうじゃないか、レッド。」 Baupte----- レッド「ボーテュ…くそ、ここはフランスにいた内で、最悪でした。」 「本来は、ここで第101師団は、第82師団と合流するはずでした。」 「サン・ソヴールへと続く、最後の障害でしたから。」(*) 「ったく、私たちは空挺隊員に会えると思って歩いていたんです。」 「ドイツ兵が橋にパンツァーファウスト(注:使い捨て対戦車兵器)を橋に撃ってくる前に、  なんとか街の外れにたどり着けたんです。」 「それから、状況が悪化してきました。」 パドック「ドイツ野郎どもは左右に展開してやがるぞ!ウサギの畜生みたいだ!」 フライアー「あそこに3人!線路の近くだ…」 パドック「あいつら、木をぶっ倒しやがった!早くここから離れようぜ、レッド!」 レッド「ぐあッ!」 パドック「くそっ、レッドがやられた!衛生兵!」 フライアー「衛生兵なんか居ないだろ、パドック!」 「手当するぞ、レッド。落ち着いて…」  「とにかく、落ち着いてください」  マーシャル「それが、その時の怪我かね」  レッド「分隊で唯一の所帯持ちが薬指を失くしちまったって訳です。」 パドック「急げ、フライアー!さっさと巻いちまえよ!」 フライアー「何を俺に愚痴ってるんだ、カンザス野郎?いいからドイツ兵を撃て!」 「銃は使えますか?」 「軍曹、銃は撃てますか?俺はドイツ兵どもにケツまくって逃げたかありませんよ?」(*) ドイル「お前にまた会えるなんてなぁ…」 レッド「軍曹になったんだな。」 ドイル「お前もか?昇進が速いな。まるで―」 「なんてこった!レッド、指をどうしたんだ?」 レッド「まだ実感が無いよ。あっという間だった。激しい銃撃でさ。」 ドイル「イギリスに戻ったら、ウィスキーでも奢ってやるよ。そんで、さっさとこんな事は忘れちまおうぜ。」 Hedgerow Hell----- レッド「失くした指は一本だけでした。」 マーシャル「運がよかったよ。もっと失くしていれば、帰国せざるを得なかったろう。」 レッド「帰国するときは、皆も一緒です。」 レッド「大佐。手紙を―」 レッド「妻に、手紙を書こうと思いました。ここで、何が起きているのか、説明をしようと思って…。」 「でも、無理でした。こんな日々を説明しようとしても、言葉が出てこないんです。」 ドイル「今のところ、俺のした怪我は降下の時、木でかすった傷だけだな。」 キャンベル「日ごろの行いが良いんですかね。」 ドイル「どうやら俺たち第82師団はサン・ソヴールに進んで、主要目標を達成しないといけないみたいだ。」 「そこを通って、シェルブールに兵隊を進めるためにな。」 「ま、お前ら第101師団は防衛ごっこでもしてろよ。その間、俺らは真の兵隊ってやつを見せてやるよ。」 パドック「きっと俺たちがサン・ソヴールでドイル軍曹を守ることになると思いますよ。きっとね。」 マーシュ「どうしてそんな事言うんだ、パドック?」 パドック「だってよ、第82師団はいつも助けられてばっかじゃないか。」 ドイル「さて、そろそろ行かないとな。お前ら、気を付けろよ。」 「俺と第82師団がヒトラーをぶっ殺して戦争が終わったら、英国でウィスキーをおごってやるよ。」 「上等なウィスキーをな。」 ペイジ「うへ、キャシディ中佐かよ。くそ、ってことは、また斥候か?」 パドック「中佐。」 マーシュ「中佐殿。」 キャシディ「いいか、お前ら。ボーテュから退却したドイツ兵どもは街の南側の生垣で強固な守りを築いている。」 「お前たちはそこに向かって、出会った脅威全てを排除するんだ。装備を整えて行け。」 「生垣を爆破して進むために、TNTを使うことを忘れるな。」 ペイジ「…な?言った通りだったろ。」 キャシディ「お前たち、よくやってくれた。素晴らしい戦いぶりだった。」 「手に入れたドイツ軍の情報は、第82師団に渡してやれ。そろそろサン・ソヴールへの攻撃を始めるころだ。」 「きっと役に立つだろう。」 「ちゃんと、第101師団が発見した情報だと言うんだぞ。」 (注:第82空挺師団と第101空挺師団は、当時からライバル意識があった。) bookends----- レッド「率直に言ってもいいでしょうか?」 マーシャル「もちろんだ、軍曹。」 レッド「えっと、私とベイカーがまだどちらも伍長だったころ、 分隊が13人で降下するなんて不吉だなと、よくジョークを言っていたんです。」 マーシャル「それは少し子供じみているんじゃないかね、軍曹?」 レッド「ええ、どちらもまだその時は餓鬼でしたから…。ヘルメットの後ろに、13と落描きさえしましたし。」 「要するに、私たちは運命に身を委ねていた。何も怖くなかった。」 「けど、それが変わったんです。デソーラの有様を見て…私は怖くなったんです、大佐。」 「私の心境が変わった、とも言えるかもしれません。」 マーシャル「心境が変わった?」 レッド「ええ。運命に身を任せてはいけないと。そして、他の誰にも。」 マーシャル「それは、君が軍曹になった頃の話かね?」 レッド「私が自分らしく振舞いはじめた頃です。」(*) 「私が家族のもとに無事帰るために、身を委ねられる人物が居る。そして、それはベイカーなどで無く、」 「私自身なんだと。」 マーシャル「それでは、どうしてサン・ソヴールに戦いに行ったのだね?」 レッド「それは、ドイル軍曹を死なせたくなかったからです。」 Run of the mill----- マーシャル「では、戦いがあると分かっていて、サン・ソヴールに向かったのかね?」 レッド「ええ。地図を届けるように言われてましたが、途中に皆で留まろうと決めました。」 「パドックなんか特にそうでした。やる気満々でした。」 「あいつは、第4歩兵師団はシェルブールに行くために俺たちを必要としてるだの、  戦車が通れるように88mm砲をぶっ潰さなきゃならないだの、ずっと言っていました。」 「面白いことに、地図には88mm砲があるなんて書いてないんです。  パドックはドイツ兵がここの防衛のために必要だろうと想像してただけなんです。」 マーシャル「それで、パドックは正しかった?」 レッド「ええ。」 ドイル「凄いじゃないか。よくやってくれたよ、レッド。」 「そんで、ちょっとまだ居てくれないか?人手が足りなくてな、できるだけ人員を集めたいんだ。」 「よし、戦車を一台置いてくよ。でも、主攻撃に備えてお前の分隊員を何人か貸してほしいな。」 ペイジ「付いて行きます。」 ドイル「よし、まず一人だな。」 マーシュ「俺も行きます。」 マッコネル「ああっと、ペイジが行くなら俺も行きます。もしこいつを撃つ奴が居るなら、それは俺ですから。」 ドイル「お前らはこの右側面を行って、製粉場に集中してくれ。」 「ドイツ兵どもを内側に留めておくんだ。そうすれば橋を取れる。」 「よし、行くぞ。」 パドック「88mm砲に気を付けなよ!」 フライアー「もう2時間もその話ばっかりだぜ。まるで88mm砲があって欲しいみたいだな。英雄にでもなりたいのか?」 パドック「んだよ、誰だって英雄にはなりてぇだろ、フライアー?俺はただ88mm砲があるだろうなって分かってるだけさ。だろ?」 フライアー「さぁ、分からんな、パドック。行くぞ。」 パドック「城まで競争と行こうか。」  (失敗:サン・ソヴールの製粉場の右側面を制圧) ドイル「よし、新しい作戦だ、レッド。左側面から行って、主要の橋に行くんだ。」 (戦車が破壊される) 「くそ、邪魔しやがって!地図には88mm砲なんて書いてなかったぞ!」 「畜生が!今行くぞ!ぶっ潰してやるからな!」 「行け、レッド!」 ドイル「助かったよ、レッド。」 ペイジ「第82師団も俺達の協力があってこそ、だな。」(やや直訳:お前ら、誰かさん達のお陰で早く進めるんだぜ) ドイル「お前たちの力が必要だ。」 ペイジ「もちろん行きますよ。俺たちが第82師団を助けてやるチャンスを、見逃す訳が無いでしょう?」 The All American pt.1----- (All Americanは第82空挺師団の愛称。) マーシャル「では、サン・ソヴールのドイツ兵を狩り出さなければならなかったのかね?」 レッド「ええ。いったん実際に城に赴いてみると、いかに狩りださなければならないか、実感しました。」(*) 「行ってみると、そこら一帯が全て、破壊しつくされていたんです。」 「城を残して、その他が綺麗に壊れていたんです。」 「丘の上に要塞があるようでした。」 マーシャル「それがサン・ソヴールなのだよ、軍曹。丘の上の要塞なのだ。」 パドック「酷ぇな、見てみろよ。」 「本当にここで合ってるのか?」 フライアー「ドイツ軍を締め出すために爆撃しなきゃいけなかったんですよ。  でもきっちり殺せなくて残っちまってて、たぶんちゃんと情報が伝わってないんじゃないか?」(*) ドイル「それが任務だ。悪いな、お前ら。」 パドック「なぁ、こんな所に入るなんて、馬鹿のすることだぜ。」 ペイジ「助けるとは言ったけどよ、畜生…ドイル、入ったら戻ってこれねぇぞ。」 ドイル「じゃあ、こういうのはどうだ?誰かが生きて戻ってこれたら…俺たちの勝ちだ。」 The All American pt.2----- (注:オレンジのスモークは、空爆の印として使われている) ドイル「ここはまずいぞ、レッド!」 ペイジ「マジでここから早く離れないと!」 ドイル「よし!今度は誰が左翼にまわる?!」 ペイジ「クソ!くそっ…」 「やられちまいました、軍曹…。やっとここまで来たってのに…」 レッド「驚くほど早く、監督権は引き継がれました。」 マーシャル「良くやったよ、軍曹。」 「君のおかげで、大変重要な目的が達成されたのだ。」 「第82師団がサン・ソヴールを奪取できていなければ、シェルブール奪取など夢のまた夢だったろう。」 マーシャル「どうかしたかね、軍曹?」 レッド「ベイカーのような失敗はせずに、成功できるかもと思っていたんです。 …でも、出来ませんでした。ドイルを失いました。」 マーシャル「そんなことはない、軍曹。君は本当に必要なことをしたまでだ。本当にだ。」 「ドイル軍曹のことも同じだ。誇りに思うべきだ。」 bookends----- レッド「5日前(6/16)の事です。サン・マーティンに向かう途中、ドイルは自分のことを話しだしたんです。」 ドイル「俺の本名はシーマス・ドイルってんだ。」 「シーマスってのは俺の親父の名前でさ、おかしなことに俺は親父のことを全然知らないからさ、  なんでお袋が俺にあいつと同じ名前を付けたのか、分かんねえんだ。」 「で、俺のお袋もよく働いてな。一度、午前3時に皿洗いをさせられたこともあったんだ。」 「お袋の料理は最高だけどよ、匂いが酷いのなんのって…」 「男と妹がキスしてんのを見て、酷ぇ癇癪を起したときもあってさ、」 レッド「子供みたいに、話していたんです。」 マーシャル「質問は以上だ。君の話してくれたことは非常に重要で、参考になったよ。」 「ハートソック軍曹。少し、休んだらどうかね。」 レッド「まだ、任務が残っていますので。」 コリオン「えらくかかったな。」 レッド「色々あったのさ、サム…」 マーシャル「名前と階級は?」 コリオン「サム・コリオン伍長です。」 ベイカー「どうだった?」 レッド「嫌ンなるほど、喋りまっくてきたぜ。」 ベイカー「ああ、俺もさ…」 「本でも書いてみるか。"ベイカーとレッド:地獄からの生還"(Baker and Red, Through Hell and Highwater)ってのはどうだ?」 レッド「何でお前の名前が先に来るんだ?」 ベイカー「お前より先に昇進したからさ。」 レッド「なるほどな。」 「イギリスに戻ったら、ウィスキーを奢ってやるよ。」 ベイカー「上等なウィスキーをな。」